劇場版SHIROBAKO感想 俺たちも作品の一部だね
劇場版SHIROBAKO、とりあえず1回見てきました。
観終わって酔っ払って一発目の感想ツイートがこれなので、端的な感想はこの1文ということになります。
https://fusetter.com/tw/t02NpHhb#all
タイムラインに流れてくる感想をちらほら読みましたけど、みんな本当に細かいところまでよく見てますね……
自分はなんというか、ストーリーを追っかけるのでいっぱいいっぱいでした。
んで、そのストーリーなんですが、いや~~~~~~~
予想では冒頭で運転中の宮森がまた疲れ切った目をしてるシーンから始まって、いつものようにワイワイガヤガヤやってなんやかんやでまた大団円~みたいな作品に落ち着くのかなと思ってたんですが(というか、むしろその方向にミスリードしているきらいもあったような)、全然そういったものではなかったですね。
テレビシリーズで感じたカタルシスや勧善懲悪的な爽快感も薄口で、尺の問題ももちろんあってでしょうが、作品から感じられるものが変わったなあと。
テレビシリーズが「アニメーション制作という仕事を通して描く人生」だったのだとしたら、今作はそのまま「人生」って方向に振り切ってるような印象を受けました。
言ってみれば、監督が本当にやりたかったこと、伝えたかったことの導入部がテレビシリーズ、本編がこっちだったのか?
テレビシリーズのあの大団円からの今作冒頭、ギャップがしんどくてつらさがありました。
落合や本田さんのように内部的(個人的)な事情での離脱、というのであればともかく、外部的な事情で仲間たちが散り散りになっていくのは非常にいたたまれない。
映画を見る前、テレビシリーズをリピートしててなんとなく(宮森は会社そのものに愛着があるから何があっても辞めないんだろうな〜)なんて軽く考えてたんですが(会社というものに愛着が微塵もない自分との対比で)、それがあんな形で証明されるとは思っていなかった。
会社に愛着がある、というのは当然会社にいる人たちにも愛着がある、というのも含みの話で。
みんな去っていった、でも……という複雑な感情をずっと抱えたまま、精神を摩耗させていってのあの冒頭だったのだと思うとやっぱりつらい。
今作の終わり方を安直に考えると、復活の狼煙を上げたムサニに昔の仲間達が次々と戻ってきて、以前のように大変だけどもみんなでひとつの目標に向かって仕事をやろう!という形で終わり……みたいにすることもできたんだと思うんですが、それぞれのキャラクターたちにはそれぞれのストーリー、それぞれの人生があって、この作品の都合の良いように動かすことがベストではない、ということだったのかなと思います。
一本の映画作品として見たときには、そんなスーパー大団円を作り上げて終了でもよかったんじゃないかと思う部分もあるんですが、そうしなかったんですね。
とはいえバッドエンドというわけでもなかったものの、自分は最後の最後まで「つらい」という感覚が残り続けたまま、でもそんな、というかどんな状況であっても常に前進し続けることが人生なんだね、という受け取り方をしました。
映画を観終わって、飲酒しながら同行者にそんな感想を話しているときにふと感じたのが、このタイトルに書いたことです。
酒を呷りながらアニメの話しして、仕事の愚痴なんか言ったりして、たまにあったいいことの話なんかをして、でもいいことばかりじゃなくて、つらいこともあって、でも死なないんだったら生きていくしかないよなーって。
そんな話ししてるキャラクター、あの作品の中のどこかに絶対いるもんな。
初見の感想はこんなところですかね。
なんとなく消化できてきて、2周目も見たいと思っているのでそのときにまた景色が変わればいいな。